SUdadegard von Tomochin

”スダデガルド フォン トモチン”
アロマコーディネーター須田さか江と、
ブリコラージュアーティストTomochinの
アートユニットです。

香りの歴史


香料が、初めて歴史に登場するのは紀元前3000年頃のメソポタミアです。シュメール人は、レバノンセダー(「香りのする杉」の意。ヒマラヤスギ属)で神への薫香を捧げていました。

古代エジプト人たちは、偉い王様が亡くなると、その亡き骸に香料をたっぷりと塗り、ミイラにして手厚く葬りました。
香料が持つ防腐・防臭効果はミイラ作りだけでなく、部屋を芳香で満たして香油を身体に塗り、衣類に香を焚きこみ、ハスの香りをしみこませた帽子をかぶって香りを楽しんでいました。

ギリシャ時代になると、香料の製造が盛んになり、入浴後に香油をからだに塗る習慣が次第に広まってきました。
西洋医学の祖といわれるヒポクラテスは、においに病気の治療効果があることを指摘しています。アリストテレス門下の哲学者で『植物誌』などを著し、植物学の祖といわれるテオフラストスは、「香気について」という論文の中で、複数の香料を調合することで香りのトーンが変化することや、香料の保留剤についての考察をしています。

香料がギリシャからローマに伝わると、ローズウォーターなどが香りの主役になり、浴室や寝室にまで香りを用いるようになります。
壮大な社交用建築物の中心にあったローマ風呂で1日3回の入浴を楽しんだ貴族たちは、膨大な量の香油や香膏を体に塗り、部屋や衣類に香りをつけるために固体香料や粉末香料を用いました。
香料への欲求は交易ルートをアラビア半島やインド、中国にまで拡大させ、香料を入れる容器の需要がガラス工芸技術の発展に貢献します。

11世紀末から始まった十字軍の遠征によって、麝香(じゃこう)をはじめ東洋のさまざまな香料がヨーロッパに持ち帰られました。そしてベニスの商人たちの手により香料やスパイスが広く取引されるようになったのです。


ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(ビンゲンのヒルデガルト)

12世紀に活躍したドイツ薬草学の祖

中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長であり神秘家、作曲家。史上4人目の女性の教会博士。

40歳頃に「生ける光の影」の幻視体験をし、女預言者とみなされた。50歳頃、ビンゲンにて自分の女子修道院を作る。


ドイツ薬草学の祖

医学と博物学をテーマとする『自然学』と『病因と治療』は、近年になって天然薬物の分野で注目を集めている。

三百以上の薬草の効能と用法を提示し、植物から調合した薬剤の外用・内服による対処とともにマッサージ、入浴、サウナ、瀉血、鉱物や宝石による療法をすすめている。健康を増進し病気を避ける生活態度として、正しい食事と適切な運動、十分な休息、調和に満ちた音楽の聴取、肯定的で開かれた精神と信仰の保持を推奨している。特に、病気の予防の点でも治療の点でも食事が大きな位置を占めている。『自然学』や『病因と治療』には薬草の調理法が多く掲載され、薬剤と料理が厳密に区別されていない点が古来の医学書との最大の違いとされる。

香りの世界では、ヒルデガルトの研究により香りによる身体的精神的作用が体系づけられた。


17世紀に登場した香水売り

Larmessin(1640-1725)による版画


南フランス・カンヌの北西17kmの丘陵に、グラースという町があります。現在、世界の香料の中心地ともいうべきこの町は、12世紀末頃には皮革工業が盛んでした。

16世紀になって、イタリアはフィレンツェのトンバリレという人が、初めてこの町に香料を紹介して大きな変化が起こりました。というのは、香料が皮の臭いを消すのに役立つため、この町で大いにもてはやされたのです。

その後、マルセーユなどで盛んになった石鹸に香料が使用されるようになり、グラースは香料の中心地として発展していったのです。グラース地方の温暖な気候、風土は、ジャスミン、ローズ、ラベンダー、オレンジフラワーなど、多くの香料植物の栽培に適しており、この町は「香料のメッカ」とまで呼ばれるようになったのです。


中世以降、神との繋がりを求めて焚く典礼のための香りから、病気や邪気から自分を守り、清潔に保つ衛生の香りへと用途が変化する。


参考:日本香料工業会ホームページおよび「ヒルデガルト・フォン・ビンゲン」Wikipedia

ユニット名とマークについて

アロマコーディネーター須田さか江とブリコラージュアーティスト友田修は、このヒルデガルト・フォン・ビンゲンに思いを馳せて「スダデガルトフォントモチン」というユニット名でアート活動をすることにしました。そして、パフォーマンスの象徴として17世紀の香りの商人のシルエットをマークにしています。

Tomochin

ブリコラージュアーティスト

須田さか江

アロマコーディネーター

Tomochin

幼少期より動力への興味を持ち、足踏みミシンのペダルの役割や、自転車の車輪とチェーンの仕組みなどが好きで、その動力を使って別のものを動かして遊んでいた。その頃を思い出し、最近身近な材料に手を加えて新たな役割を与えるアート表現を開始。

 

今回の展示では嗅覚(香り)にスポットを当て、家庭用雑貨を利用した”仕組みの見える芳香装置”を創作。観察者が自ら香りをブレンドする装置を考案した。 

また、香りの調合をアートの領域に広げる試みとして、人間の好奇心が未だ知らぬ香りに向かって吸い寄せられる様子を、花に吸い寄せられた虫をイメージして空間を表現。 

 

Tomochinにとってのブリコラージュアート*の制作とは?

「何でもかんでも電気に変換してエネルギーを目に見えないかたちで取り出すのが常で、更にバーチャル化が進む昨今、コンピュータが勝手に作り出したものが訳のわからないまま表現として使われていると感じる。昔、水車を回して脱穀したり、歯車とカムシャフトで上下運動を作り出した時代には仕事量や規則正しく動く様子、製品の精度のばらつきなど全て目に見えていて、出来た製品も決して均一ではなかった。そこにはゆらぎのような差異によって魅力が織り込まれていた気がする。手作りで目に見える装置を作る事は、現代社会のモノを作る姿勢に対して大切なことを忘れないように、気づく場を示したい思いからブリコラージュしている。」 

と語った。 

横浜市在住。 



*ブリコラージュとは「寄せ集めて自分で作る」ことを言う。元来はフランス語の「つくろう」「ごまかす」に由来する。 


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須田さか江

アロマコーディネーター認定校主宰
ボディトリートメントセラピスト認定校主宰

リラクゼーションにアロマが与える影響を研究。
展覧会「香りの実験室」では”心模様を示す香り”の創作に挑戦。

  
【過去の活動】

2020年8月
ギャラリー森の小屋
 田島征三氏個展
「つかまえた」
絵本の香り出品 

2020年〜2021年
ギャラリー森の小屋

 谷川晃一氏個展
IZUKOUGEN 冬/春/夏/秋
絵画作品イメージの香り出品

2022年5月 オーガニックコスメブランドcocociAroma アロマブレンド監修

2022年5月
ギャラリー森の小屋
「香りの実験室」 

2022年7月 宿泊施設グランベール伊豆 イベント「香りと食のアンサンブル」香り講師

2022年8月 日本アロマコーディネーター協会「精油化学の達人」としてオンデマンド講座「今さら聞けない精油の化学」をリリース

2022年8月 熱川プリンスホテル カルチャーサロン「ミヂカル」アロマ講座講師

2022年9月
恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール
「香りの実験室」

2023年2月
陶器製オリジナルアロマディフューザー販売開始